第2分科会

2nd subcommittee

第2分科会

化粧品、化粧品原料企業などで構成されております。

 第2分科会は、香粧品関連の企業を中心に現在15名のメンバーで活動しており、安全性に優れた香粧品の開発を主要テーマに多角的な見地から皮膚刺激性評価の検討を行っています。
 近年では、「リンスオフ製品の試験条件の検討」を研究テーマとして設定し、皮膚刺激性評価に関する検討を行ってきました。2022年度からは、リンスオフ製品の実使用を反映したパッチテスト適用条件を見出すことを目的として試験濃度、貼付時間、皮膚刺激指数の関係性について検討を行ってきました。被験者の負担を軽減するため、24時間貼付と同等の反応が得られる短時間貼付時の最適濃度を検討することを課題とし、「高濃度・短時間」の試験条件を模索してきました。検討の結果、試験濃度が高いほど皮膚刺激指数が高くなるとは限らず、相関性を見出すまでには至りませんでした。その理由として、界面活性剤は一定濃度以上になると水中でミセルを形成するため、皮膚表面にミセルの状態で吸着した可能性が考えられました。また、界面活性剤の種類によって皮膚浸透性などの特性が異なることから、皮膚への吸着、残留、浸透などの因子により皮膚刺激性の順位が異なったのではないかと考えられました。
 これまでの検討により、パッチテストにより得られる皮膚刺激指数は、試験実施時季によって異なる可能性が示唆されてきました。また、同一試料であっても貼付部位によって皮膚刺激指数が異なることも、これまでの知見として得られています。そこで、このような背景を踏まえ、2024年度からはパッチテストの実施時季および試料の貼付部位と皮膚刺激指数との関係性について、更なる評価を行うこととしました。
 洗浄力の異なる3種類のシャンプーモデル処方を被験試料として調製し、3か所の貼付部位(前腕内側部、上腕内側部、背部)において、冬季(3月)および夏季(7月)の計2回、同一被験者に対してパッチテストを実施しました。加えて、パッチテスト実施後の試料貼付部およびその近傍の非貼付部に対して、アンテラ3D(Miravex社製)を用いた皮膚測定を行い、各部位におけるキメ、ヘモグロビン量、メラニン量を評価しました。その結果、パッチテストにより得られた各試料の皮膚刺激指数は、夏季と比較して冬季に高くなる傾向が認められました。また、いずれの試験実施時季においても、上腕内側部と比較して前腕内側部では皮膚刺激指数が高くなる傾向が認められました。さらに、冬季における被験者の皮膚状態は夏季に比べ粗い傾向を示し、「皮膚刺激指数」と「各試料貼付部位近傍の非貼付部におけるキメの粗さ」との間に相関が認められました。
 冬季は乾燥などの要因により肌荒れが生じ、夏季に比べ皮膚のバリア機能が低下しやすいことから、同一被験者・同一試料であっても皮膚刺激指数が高く出たものと考えられます。   
また、今回比較的高い皮膚刺激指数を示した前腕内側部は、上腕内側部に比べ、一般的に外気に曝露されやすい部位です。すなわち、これらの結果から、試料貼付部位の皮膚状態や、試験実施時に皮膚が曝露されている外部環境がパッチテスト結果に影響を及ぼすことが示唆されました。今回の検討において貼付部位として選定した前腕内側部は試料の貼付が容易であり、背部は一度に多検体を試験可能であるなど、各部位にはそれぞれメリットがありますが、その試験実施時季ごとの皮膚状態を考慮した上で、皮膚刺激性を評価する必要があると考えられました。
 本年度は、これまでに実施してきた試験結果の総括および解析を行うとともに、新たな共同研究課題の立案を進めています。現在は、異なる種類のパッチテストテープを用いた際の使用感や、皮膚判定結果への影響について比較検討を行っています。また、テープの材質や粘着性の違いが被験者負担や評価精度に及ぼす影響についても検証を進めており、今後の試験法の標準化および評価手法の向上につなげることを目的としています。

委員

  • 委員長 コタ(株)
  • 副委員長 タカラベルモント(株)
  • 副委員長 (株)ナリス化粧品
  • 委員 河合産業皮膚医学研究所
  • 委員 牛乳石鹸共進社(株)
  • 委員 (株)クラブコスメチックス
  • 委員 サンスター(株)
  • 委員 三洋化成工業(株)
  • 委員 (株)消費科学研究所
  • 委員 中野製薬(株)
  • 委員 NISSHA(株)
  • 委員 日皮協
  • 委員 日本メナード化粧品(株)
  • 委員 (株)ノエビア
  • 委員 (株)ファンケル

研究業績

  • 早川律子他:化粧品原料の皮膚一次刺激性試験法の比較研究
    皮膚、26・5;1057~1149、1984
  • A. Sato,et.al.;Evaluation of human skin irritation by carboxylic acid, alcohols, esters and aldehydes, with nitrocellulose-replica method and closed patch testing.
    Cont.Derm.34;12~16, Jan.1996.
  • T. Kozuka,et.al.;Allergenicity of fragrance materials
    Env.Derm.3;326~335, Dec.1996.
  • 奥村秀信他:揮発性物質を含む製剤の皮膚一次刺激性評価法
    -河合法とクローズドパッチテストとの比較-
    日本香粧品科学会誌、21・2;110~113、1997.
  • 林昭伸他:河合法で評価可能な化粧品液状エステル油の皮膚刺激性について
    第26回接触皮膚炎学会 大阪国際交流センター 2001.12.8
  • N.Ozawa.et.al,;Skin Irritation of liquid oils for Cosmetic Materials is highly Correlated with a reciprocal of Molecular Radius JOURNAL OF ENVIRONMENTAL DERMATOLOGY
    Vol.12 No.1,50-63, 2005

議事録

協会の会員以外の方は議事録をみることができませんのでご了承ください。

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