第1分科会

1st subcommittee

第1分科会

繊維関連、繊維処理剤関連、アパレル企業などで構成されております。

 第1分科会は繊維関連、繊維処理剤関連、アパレル企業などで構成され、現在13名で活動を行っています。
 昨年度から新規テーマの探索を行っています。外部刺激が肌へ与える影響に関するまだ研究例が少ないと思われる「圧迫による肌への影響」と「紫外線遮蔽による肌への影響」の2例について、予備的な検討を実施しました。「圧迫による肌への影響」については、今回の検討では肌への悪影響を確認することができず、今回よりも長期間の着用や、より現実に即した実験条件の設定が必要だったと考えられます。また、「紫外線遮蔽による肌への影響」についても、紫外線遮蔽率の違いによる日焼け程度の差異を確認することができず、試験デザインの改良が必要だと考えられます。
 幅広くテーマ案を出すために委員全員にアンケート調査をし、31個のテーマ案を収集しました。その中では『皮膚の摩擦』に関するテーマ(摩擦テーマ)が11個と比較的多く、参加者の関心の高さが伺えたため、「繊維製品の摩擦試験」を用いて試験対象を変えながら調査することにし、それと並行して摩擦以外のテーマにも取り組むことにしました。
摩擦テーマについて、現在は洗濯により硬化したタオルの摩擦と皮膚刺激について検討しています。試験用にタオルを購入し、洗濯10回と30回の処理を行ったものを準備し、委員12名の前腕で摩擦試験を行いました。洗濯0回、10回、30回の3水準を各8人分測定した結果、摩擦力に大きな差はなく、角層水分量、経皮水分蒸散量(TEWL)にも有意差はありませんでした。この結果は、タオルの手触り感や、摩擦試験時の洗濯10回よりも30回の刺激が強かったという感想からも意外なものでした。体感上の「ザラザラ感」「痛み」とデータに乖離があるため、さらなる調査としてタオルの風合い測定を行ったところ、洗濯により剛軟度(JIS法)は上昇し、ざらつき(KES法)についても、ばらつきの可能性が残るものの上昇がみられました。予想よりは差が少ない結果でした。現在は委員による官能評価と、タオル断面の顕微鏡観察を実施しており、今後も検討を続けます。
摩擦以外のテーマとしては、洗濯による洗剤残留と皮膚刺激について検討しています。界面活性剤の皮膚刺激については調査結果があり、濃度が高いと皮膚刺激があることがわかっています。また、洗濯物の洗剤残留量を測定する方法については調査中で、再現性の高い洗濯処理方法や微量な界面活性剤の定量法の確立などの課題があります。現時点では、通常の洗濯での洗剤残留量では重大な皮膚刺激となる可能性は低いと考えています。こちらも引き続き検討を行います。
 現在は前述の2テーマともに事前検討の段階です。今後検討を進め、メインテーマを決定していきます。

委員

  • 委員長 (株)ワコール
  • 副委員長 明成化学工業(株)
  • 副委員長 岡本(株)
  • 委員 旭化成(株)
  • 委員 大原パラヂウム化学(株)
  • 委員 河合産業皮膚医学研究所
  • 委員 倉敷紡績(株)
  • 委員 グンゼ(株)
  • 委員 (株)鈴木靴下
  • 委員 大和紡績(株)
  • 委員 東洋紡(株)
  • 委員 日皮協
  • 委員 松本油脂製薬(株)

研究業績

  • 河合敬一他:分散染料の皮膚刺激性-染色布による検討
    日皮会誌、102・11;1411~1419、1992.
  • 手島馨他:布のかたさと皮膚刺激性
    皮膚、35・4;461~470、1993.8.
  • 手島馨他:繊維用加工剤の皮膚刺激性-濃度、繊維素材、熱処理温度の変化
    繊維製品消費科学、36・3;39~44、1995.3.
  • 近藤智吏他:硬仕上加工布の力学特性及び風合いと皮膚刺激性
    繊維製品消費科学、36・6;40~50、1995.6.
  • 弓削治他:樹脂加工剤の加工条件による皮膚刺激性
    繊維製品消費科学、37・2;24~31、1996.2.
  • 近藤智吏他:繊維及び糸の要因と皮膚刺激性
    繊維製品消費科学、37・6;50~58、1996.6.
  • 滝沢清, 他:背に集合体の乾燥・湿潤状態における特性と皮膚刺激性 -試料の湿潤状態と皮膚刺激性-.
    日本繊維製品消費科学会年次大会. 東京. 1998.
  • 出口潤子他:繊維の皮膚刺激性評価法 -閉塞法と河合法の比較-
    繊維学会誌、63・8;200~204、2007.8.
  • 出口潤子他:繊維の乾燥・湿潤状態における特性と皮膚刺激性
    -皮膚表面の相対湿度が皮膚刺激性に与える影響-
    繊維製品消費科学.49・10 : 703-710, 2008.
  • 出口潤子, 他:繊維製品の保湿性評価法の検討.
    日本繊維製品消費科学会年次大会. 名古屋. 2013.
  • 出口潤子, 他(日皮協技術委員会第1分科会):繊維製品の保湿性評価方法の検討Ⅱ -繊維製品の水分透過性、保持性と保湿効果-.
    日本繊維製品消費科学会年次大会. 東京. 2016.
  • 橋本章子, 他(日皮協技術委員会第1分科会):繊維製品の黄変による肌への影響.
    日本繊維製品消費科学会年次大会. 東京. 2025.

議事録

協会の会員以外の方は議事録をみることができませんのでご了承ください。

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