第1分科会

1st subcommittee

第1分科会

繊維関連、繊維処理剤関連、アパレル企業などで構成されております。

第1分科会は現在、13名のメンバーで活動を行っています。
昨年度から、『繊維や加工剤の劣化による皮膚への影響』について検討を進めています。劣化としてまずは黄変の検討を行っており、昨年度は各素材の紫外線照射を行い、黄変した素材でも物性や河合法による皮膚刺激では変化がないことを確認し、また、綿、ナイロン生地にアミノシリコーン加工後、熱処理により黄変させましたが、加工剤のみが酸化劣化し、繊維自体は劣化していないことを確認しました。
さらに人工皮脂を用いた黄変試験において、昨年の試験ではナイロン、シルク、ウールで黄変し、物性変化、肌への影響がみられないことを確認しましたが、一般的に肌着の黄変などでよく目にする綿の黄変が再現できていなかったため、今年度、さらに検討を行いました。具体的には人工皮脂加工後の熱処理時間を36時間から1週間に延ばしたところ、黄変については、綿、ポリエステル、ウールのすべての生地で見られ、皮膚刺激性は、綿は準陰性、ポリエステル、ウールでは準陽性となりました。さらに、綿について、過剰量のオレイン酸を付着させる試験を行い、過剰量のオレイン酸を付着させて、洗濯をしなければ綿でも皮膚刺激性が高まることがわかりました。現在、ウールとポリエステルについて、オレイン酸の付着状態と皮膚刺激性の関連を検証しています。
ようやく分科会の活動もコロナ前の活動状態に移行できてきました。繊維と皮膚についてご関心をお持ちの方は、是非一度、第1分科会にご連絡下さい。

委員

  • 委員長 旭化成(株)
  • 副委員長 明成化学工業(株)
  • 副委員長 (株)ワコール
  • 委員 岡本(株)
  • 委員 大原パラヂウム化学(株)
  • 委員 河合産業皮膚医学研究所
  • 委員 倉敷紡績(株)
  • 委員 グンゼ(株)
  • 委員 (株)鈴木靴下
  • 委員 大和化学工業(株)
  • 委員 大和紡績(株)
  • 委員 東洋紡(株)
  • 委員 日皮協
  • 委員 松本油脂製薬(株)

研究業績

  • 河合敬一他:分散染料の皮膚刺激性-染色布による検討
    日皮会誌、102・11;1411~1419、1992.
  • 手島馨他:布のかたさと皮膚刺激性
    皮膚、35・4;461~470、1993.8.
  • 手島馨他:繊維用加工剤の皮膚刺激性-濃度、繊維素材、熱処理温度の変化
    繊維製品消費科学、36・3;39~44、1995.3.
  • 近藤智吏他:硬仕上加工布の力学特性及び風合いと皮膚刺激性
    繊維製品消費科学、36・6;40~50、1995.6.
  • 弓削治他:樹脂加工剤の加工条件による皮膚刺激性
    繊維製品消費科学、37・2;24~31、1996.2.
  • 近藤智吏他:繊維及び糸の要因と皮膚刺激性
    繊維製品消費科学、37・6;50~58、1996.6.
  • 滝沢清, 他:背に集合体の乾燥・湿潤状態における特性と皮膚刺激性 -試料の湿潤状態と皮膚刺激性-. 日本繊維製品消費科学会年次大会. 東京. 1998.
  • 出口潤子他:繊維の皮膚刺激性評価法 -閉塞法と河合法の比較-
    繊維学会誌、63・8;200~204、2007.8.
  • 出口潤子他:繊維の乾燥・湿潤状態における特性と皮膚刺激性
    -皮膚表面の相対湿度が皮膚刺激性に与える影響-,繊維製品消費科学.49・10 : 703-710, 2008.
  • 出口潤子, 他:繊維製品の保湿性評価法の検討. 日本繊維製品消費科学会年次大会. 名古屋. 2013.
  • 出口潤子, 他(日皮協技術委員会第1分科会):繊維製品の保湿性評価方法の検討Ⅱ -繊維製品の水分透過性、保持性と保湿効果-. 日本繊維製品消費科学会年次大会. 東京. 2016.

議事録

協会の会員以外の方は議事録をみることができませんのでご了承ください。

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