科学や技術の進歩は今日まで素晴らしいものがあります。また、今後もますます進歩するものと信じております。
しかしながら、企業もそれを支える人も、ともすれば尊大になり、謙虚さがなくなって、人に対する思いやりがなくなってしまう事が多々見うけられます。
私たち日本産業皮膚衛生協会は、これからの日本を考え、世界の人のために先見の明をもって決断し、多くの人から信頼と尊敬されることを「理念」に掲げ、高度な平和産業を育むべく努力を結集したいと考えております。
「あらゆる科学組成物が起こす障害は、その量(程度・度数・時間)に依るものであり、化学者はこの量に挑戦すべき」(池田初代理事長:日皮協ジャーナル第4号)と掲載されておりましたが、1970年当時は「このモノは危険である」と警告する者はいましたが、安全であると断言できる者はいませんでした。そこで、皮膚衛生に関する安全を断言できる団体として、日本産業皮膚衛生協会は生まれました。
主たる試験法である河合法は、欧米の実証主義的な皮膚安全性試験法と異なり、日本の実情に適した独自の評価法です。私たちは諸外国の研究を貪欲に学びつつも安易にまねすることなく、自らの道を切り拓いていきたいと考えます。
安全と安心
日本産業皮膚衛生協会の多用な活動の中で特に重要なことは、技術委員会第1分科会(繊維製品の安全性)、第2分科会(香粧品の安全性)、第3分科会(粘着剤・フィルムの安全性)の研究活動です。すなわち、異業種の研究者がプロジェクトを結成して知識をオーバーラップさせ、質的向上を図ることをめざしています。またそのために、分科会への研究費を毎年助成しています。
知識の豊かさだけではなく、心の豊かな人がひとりでも多くなるような社会を私たちの目指す「理念」と捉え、一歩、一歩着実に信頼を深め助け合うことに大きな喜びがあります。
安全と安心は、形だけの豊かさではなく、世界から信頼と尊敬を得ることで実現されるモノと信じております。